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まず、金融緩和って何か?というと、「通貨を発行できる唯一の銀行である中央銀行(日本で言うと日本銀行)が国債を買い取り、その同額分のお金を発行し、普通の銀行に渡す」ということなんですね。
これによって市中に回るお金の量を増やし、人々の、物価が上がっていくことによる圧迫感を利用し、貨幣を、物価が上がり切らないうちに使用させるという、 お金が使われやすい状況を作り出すことによって経済成長を遂げる、というのが目的です。前に書いたと思いますが、経済成長っていうのは、ざっくばらんにい うと、一年間のうち一国内で使われたお金の総量が、前年のそれと比べて大きくなること、です。
今年は約80兆円分の国債を日本銀行が買い取り、異次元の金融緩和と言われるものを実行しました。
80兆円が普通の銀行に渡りました。ではこのお金はどこに行ったのでしょう。もちろん、市中で使われた、つまり銀行が企業に融資をしたとなったら、企業が 設備投資をしていることをほぼ意味します。そうであるならば、その分のGDPが伸び、経済が成長していなければおかしいはずです。
以下に日経の資料を載せますので見ていただきたいのですが、2014年は名目、実質共に▲、つまり低下しています。http://www.nikkei.com/biz/report/gdp/
これはどういうことか、というと、普通の銀行に渡したお金は、市中で使われない傾向にあったということでしょう。なぜ市中で使われなかったかというと、企 業が設備投資等を増やさなかったためです。その理由とは、国内に需要がないからです。デフレというのは、需要より供給が大きくなる状態ですからね。設備投 資をして、供給量を増やしたところで、需要がないので、リターンが得られない。そんな状況で投資なんてしませんよ、とそういうことです。
じゃあこれがどこに行ったかというと、金融市場、つまり国債や株券に流れた。円安のせいで、海外の投資家が株を買いに来たというのもありますが(そもそも お金の量を増やすと円安になります)、国内銀行の投資先としても、他に選択肢がなかったら株に投資するという選択をせざるを得ないでしょう。日銀がせっか く市中の銀行から国債を買いとって市中の銀行に渡したお金で、市中の銀行は国債を買っているというジョークのような状態になっているんですね。
これがインフレ期、つまり供給を需要が上回る時だったら市中に回るわけですが、デフレ期にやっても、こうやって金融市場に行ってしまうので、これだけじゃ景気回復なんて無理っていうことですね。