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自民党の改憲草案
ちょっと最近法学を学んでおりましてね。そろそろ憲法も読める頃合いだろうと思いまして自民党の憲法草案なるものを読んでみました。
というわけで良い点と疑問に思う点を挙げていこうかなと思います。今の時点での考えなので、もしかしたら今後変化するかもしれません。
◇良いと思う点◇
1.読みやすい
一つ目にこれを挙げるのはどうなのかとは思いますが、現行憲法では読みにくかったり、文法が間違っていたりしている箇所が多いのです。前文の「公正と信義に~」の「に」の使い方がおかしい、というのはよく指摘されることですが、他にも例えば、23条「学問の自由は、これを保障する。」とか。憲法が学問の自由を保障するわけで、学問の自由が学問の自由を保障するわけではないでしょう。「憲法は、学問の自由を保障する」とか、「学問の自由は憲法により保障される」とかの文言が正しいはずです。全編に渡りそういう箇所を直している印象がありました。
2.102条という、17の倍数の条数になっている
聖徳太子の、憲法十七条が日本で制定した初めての憲法で、それ以来日本の最高法規は、御成敗式目が51箇条であったり、明治憲法の第一章が17条であったりと、17もしくはその倍数を絡めるのが不文律となっておりました。その伝統を引き継ぐという意味では、102条は、多いとは思いますが良い点の一つに数えられるのではないかなと。
◇悪いと思う点◇
1.相変わらず前文が酷い
先の大戦に関わる文章は削除したほうが良いでしょう。憲法というのは英語ではConstitutionといいます。確かに憲法という訳も含まれているのですが、国体という意味も持ちます。
先の大戦と日本の国体にどのような関係があるというのでしょうか。私は、先の大戦があろうとなかろうと、日本は日本であると考えております。政体は著しく変わり、伝統や文化はアメリカにより破壊されて、もはや日本文化は消えつつあります。そしてそれを了とする教育が行われており、今後も日本文化は消えてゆくことでしょう。それでも私は、日本は日本であると思っております。先の大戦に敗れたことは、国体となるべきほどのことなのでしょうか。また、そのことを記載するのは非常に卑屈なことであり、憲法でやるべきことではないでしょうと思っております。
2.想定が武力戦のみである
これは現行憲法でもそうなのですが、もはや現在の主な戦争は、武力戦ではありません。情報戦や言論戦で、敵国を内部から破壊してゆくというものです。武力戦が起こるのはせいぜい戦争の末期であり、それが起こる頃には内部は崩壊しているので、仕掛けた側はたやすく勝利を収め、平定することができます。
勿論武力戦を想定することは必要です。そのための自衛力を高めることは当然でありましょう。しかしながら、情報戦や言論戦に対抗できなければ、現在の戦争に対応しているとはいえません。「日本国は、あらゆる形態の戦争に対応するための自衛力を所持する。」くらいの記載のほうが宜しいのではないでしょうか。
3.財政の健全化
新しく82条の2項で出現したものです。財政の健全化が何を指すのか、例えばGDPに対する国債の割合なのか、ある年の税収に対するその年の新規の国債発行額なのかはわかりませんが、これは問題でしょう。
なぜなら、今のようなデフレの状態では、政府が積極財政策を講じなければ、景気が回復しません。需要が落ち、民間が投資をしないならば、政府が投資をしなければさらにGDPは落ち、景気は悪くなってゆきます。金融緩和をやったところで、銀行は融資に回せず、ほぼ金融市場にのみお金が回ることになります。それでは何の付加価値を生み出すことが出来ず、GDPの回復は見込めません。
この条文は、そういった機能的財政論を封じます。積極財政が必要なときに積極財政が取れないのです。幸いこれを削除しても条数は変わらないので、削除が適当でしょう。
4.緊急事態とは
国家には緊急事態があるとは思います。その時に国家が権力を強め、日本国民が一丸となって緊急事態に対応する必要は、私は存在すると思います。これは新たに出てきている章なので、別途法律によって、手続法のような形で緊急事態を定義していったり、リスクシナリオを考えてゆく必要があります。
それが出てこないうちは、なんとも言えません。運用次第で良くも悪くもなりそうなので、とりあえず悪い点と考えております。
5.憲法の発議要件の緩和
Constitutionとは国体であるということを前に書きましたが、憲法を国体と捉えるならば、国体を変えるのは極力難しくすべきです。アメリカナイズするために度々国体を変えられたのでは、たまったものではありません。現行憲法でさえアメリカによって作られた屈辱的なものであるのに、これ以上国民を屈辱的な気分にしようというのでしょうか。
共産主義も新自由主義もともに日本の国体とはいえません。もっと日本の国体を思い起こした憲法にしてほしいものです。
6.宗教分離が甘い
日本は古来より神道の国で、皇統は太陽神である天照大御神につながるものであります。であるため、国教として神道を保護してゆくのは、皇統の守護という観点から私は当然のことだろうとは思っております。
しかし、昨今のカルト宗教の勃興が、宗教分離を甘くしたその間隙を突いてきやしないかと心配なのです。
以上、保守的な観点より自民党の改憲草案を語ってみました。
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自民党の改憲草案
ちょっと最近法学を学んでおりましてね。そろそろ憲法も読める頃合いだろうと思いまして自民党の憲法草案なるものを読んでみました。
というわけで良い点と疑問に思う点を挙げていこうかなと思います。今の時点での考えなので、もしかしたら今後変化するかもしれません。
◇良いと思う点◇
1.読みやすい
一つ目にこれを挙げるのはどうなのかとは思いますが、現行憲法では読みにくかったり、文法が間違っていたりしている箇所が多いのです。前文の「公正と信義に~」の「に」の使い方がおかしい、というのはよく指摘されることですが、他にも例えば、23条「学問の自由は、これを保障する。」とか。憲法が学問の自由を保障するわけで、学問の自由が学問の自由を保障するわけではないでしょう。「憲法は、学問の自由を保障する」とか、「学問の自由は憲法により保障される」とかの文言が正しいはずです。全編に渡りそういう箇所を直している印象がありました。
2.102条という、17の倍数の条数になっている
聖徳太子の、憲法十七条が日本で制定した初めての憲法で、それ以来日本の最高法規は、御成敗式目が51箇条であったり、明治憲法の第一章が17条であったりと、17もしくはその倍数を絡めるのが不文律となっておりました。その伝統を引き継ぐという意味では、102条は、多いとは思いますが良い点の一つに数えられるのではないかなと。
◇悪いと思う点◇
1.相変わらず前文が酷い
先の大戦に関わる文章は削除したほうが良いでしょう。憲法というのは英語ではConstitutionといいます。確かに憲法という訳も含まれているのですが、国体という意味も持ちます。
先の大戦と日本の国体にどのような関係があるというのでしょうか。私は、先の大戦があろうとなかろうと、日本は日本であると考えております。政体は著しく変わり、伝統や文化はアメリカにより破壊されて、もはや日本文化は消えつつあります。そしてそれを了とする教育が行われており、今後も日本文化は消えてゆくことでしょう。それでも私は、日本は日本であると思っております。先の大戦に敗れたことは、国体となるべきほどのことなのでしょうか。また、そのことを記載するのは非常に卑屈なことであり、憲法でやるべきことではないでしょうと思っております。
2.想定が武力戦のみである
これは現行憲法でもそうなのですが、もはや現在の主な戦争は、武力戦ではありません。情報戦や言論戦で、敵国を内部から破壊してゆくというものです。武力戦が起こるのはせいぜい戦争の末期であり、それが起こる頃には内部は崩壊しているので、仕掛けた側はたやすく勝利を収め、平定することができます。
勿論武力戦を想定することは必要です。そのための自衛力を高めることは当然でありましょう。しかしながら、情報戦や言論戦に対抗できなければ、現在の戦争に対応しているとはいえません。「日本国は、あらゆる形態の戦争に対応するための自衛力を所持する。」くらいの記載のほうが宜しいのではないでしょうか。
3.財政の健全化
新しく82条の2項で出現したものです。財政の健全化が何を指すのか、例えばGDPに対する国債の割合なのか、ある年の税収に対するその年の新規の国債発行額なのかはわかりませんが、これは問題でしょう。
なぜなら、今のようなデフレの状態では、政府が積極財政策を講じなければ、景気が回復しません。需要が落ち、民間が投資をしないならば、政府が投資をしなければさらにGDPは落ち、景気は悪くなってゆきます。金融緩和をやったところで、銀行は融資に回せず、ほぼ金融市場にのみお金が回ることになります。それでは何の付加価値を生み出すことが出来ず、GDPの回復は見込めません。
この条文は、そういった機能的財政論を封じます。積極財政が必要なときに積極財政が取れないのです。幸いこれを削除しても条数は変わらないので、削除が適当でしょう。
4.緊急事態とは
国家には緊急事態があるとは思います。その時に国家が権力を強め、日本国民が一丸となって緊急事態に対応する必要は、私は存在すると思います。これは新たに出てきている章なので、別途法律によって、手続法のような形で緊急事態を定義していったり、リスクシナリオを考えてゆく必要があります。
それが出てこないうちは、なんとも言えません。運用次第で良くも悪くもなりそうなので、とりあえず悪い点と考えております。
5.憲法の発議要件の緩和
Constitutionとは国体であるということを前に書きましたが、憲法を国体と捉えるならば、国体を変えるのは極力難しくすべきです。アメリカナイズするために度々国体を変えられたのでは、たまったものではありません。現行憲法でさえアメリカによって作られた屈辱的なものであるのに、これ以上国民を屈辱的な気分にしようというのでしょうか。
共産主義も新自由主義もともに日本の国体とはいえません。もっと日本の国体を思い起こした憲法にしてほしいものです。
6.宗教分離が甘い
日本は古来より神道の国で、皇統は太陽神である天照大御神につながるものであります。であるため、国教として神道を保護してゆくのは、皇統の守護という観点から私は当然のことだろうとは思っております。
しかし、昨今のカルト宗教の勃興が、宗教分離を甘くしたその間隙を突いてきやしないかと心配なのです。
以上、保守的な観点より自民党の改憲草案を語ってみました。
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